富山県に住んでいます。

昔から富山県の結婚式の引き出物で欠かせないのがかまぼこでした。

細工蒲鉾の詰め合わせが必ず用意されました。結婚式の帰り道はかまぼこでずっしりと重い袋を持って帰るのが一般的な富山県民の姿でした。


かまぼこは今でこそ「植物由来の色素が使われています」と表示されているものが多くなりましたが、昔のかまぼこには、極彩色と言っていいような原色に近い色が使われていました。


当時まだ幼かった私でさえも「これは一体何からできている色なんだろう」と不思議に思ったものです。

かまぼこは数点盛り合わせになっていて、メインは鯛のかまぼこでした。


その鯛ですが、一匹で大きいものでしたら一万円を超えます。



はっきり言ってなんでそんなに高いのだろうという感じでしたが、誰もが「予算が許す限りできるだけ大きいものを」という感じでした。



大きいものを用意するには理由がありました。



その鯛を持ち帰ったら切って近所に配るのです。

つまり、大きな鯛でないと配りたい人全員に行き渡らないということになってしまうのです。
近い身内や自治会の偉い人には頭に近いところ、遠い身内や友人には尻尾に近いところです。

頭は格が高く、尻尾に近づくにつれて格が下がります。
なのでどこにどの部分を持っていくか、配る方は考えるのも大変でした。

私は母が親しい友人に尻尾の部分を差し出して「ごめんね、尻尾で」と言っていたのを覚えています。

いろいろと思い出がある引き出物のかまぼこの鯛ですが、平成になった頃からだんだんと廃れてきました。
それでもまだ一部の家で、やはり今でもきちんと鯛を用意される方がいます。

鯛が入ってるとなんだか嬉しくなります。

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